～充実した演題発表と活発な議論

 平成22年12月4日（土曜日）、文京学院大学において、日本唾液腺学会の第55回学術大会が開催されました。前日の激しい風雨とはうって変わり、初冬とは思えないような穏やかな晴天のなか、全国から107名が参加して、学際的な研究報告と討論が行われました。

　特別講演は、神戸大学大学院医学研究科の古瀬幹夫教授（生理学・細胞生物学講座）をお招きし、『細胞間接着装置タイトジャンクション（以下ＴＪ）による上皮透過性の制御機構』と題してお話をしていただきました。ＴＪの分子構築とバリア機能制御、器官・個体におけるＴＪの役割等について具体例をあげながら解説し、さらに今後の展開として最新の研究や医学・薬学分野からのアプローチにも言及する内容に、参加者は熱心に耳を傾け、講演終了後の質疑応答も大いに盛り上がりました。
 

　今回は、一般演題、症例検討あわせて26題の演題が発表され、医学系・歯学系・薬学系など多岐にわたるテーマについて、活発なディスカッションが展開されました。「唾液腺に関するあらゆる領域を受け入れる」という本学会の特色を生かして、専門分野の壁を越えた交流や情報交換をはかるという点でも、大変有意義な一日となったのではないかと思います。

　例年通り、学会奨励賞の授賞式、受賞講演も行われました。今年度は、日本大学生物資源科学部の成田貴則先生が受賞されました。受賞おめでとうございました。今後のさらなるご活躍を祈念申し上げます。
 

　年々、大会前の問合せや学会員以外の参加者も増える傾向にあり、唾液や唾液腺の研究に対する関心が高まりつつあることが伺われます。このような流れを受けて、学会活動を活性化し、学術大会が更に充実したものとなるよう尽力してまいりますので、ご意見、ご要望等ございましたら、事務局までお寄せいただければ幸甚でございます。
　 なお、第56回学術大会は、平成23年12月3日（土）の開催を予定しております。皆様のご参加をお待ち申し上げております。