日本唾液腺学会
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第63回 日本唾液腺学会 総会並びに学術集会

 
会 長:岡本美孝(千葉大学大学院 医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学)
副会長:天野 修(明海大学 歯学部 解剖学分野)

2018年12月8日(土)、文京学院大学本郷キャンパスにおいて、第63回総会並びに学術集会を開催しました。

公募演題の発表に加え、会長が企画した基礎研究についての特別講演、臨床のトピックスをテーマとするシンポジウムが行われ、大学院生からベテランまで100名近くの研究者・臨床家が参集して、共に学びました。

千葉大学大学院 医学研究院分子腫瘍学の金田篤志教授特別講演は、がんエピゲノム研究の第一人者である、千葉大学大学院 医学研究院分子腫瘍学の金田篤志教授を講師にお迎えしました。金田先生は、「がんエピジェネティクスの重要性と研究の現状」と題して、発がんの機序や抗がん剤研究の最先端について分かりやすくお話をしてくださいました。胃がんとピロリ菌、EBウィルス、中咽頭がんとHPVの関連を中心に、がんにおいて高頻度に認められるDNA異常高メチル化やヒストン修飾の異常を誘発する環境因子、メチル化抵抗因子TET2の働き等を解説するとともに、エピゲノムを標的とする抗がん剤開発にも言及され、専門分野を異にする参加者からも大変勉強になったと好評でした。

一方のシンポジウムは、同じくがんを取り上げつつ唾液・唾液線にフォーカスし、「耳下腺腫瘍の新たな治療戦略」をテーマとして意見交換を行いました。唾液腺がんの診断・治療に多くの経験を有する4名の先生方からの報告に続いて、全体討論では、会場から次々と質問の手が挙がり、多様な病理組織像を呈する唾液腺腫瘍の診断と薬物療法について最新の情報を共有することができました。
 

  • 「耳下腺腫瘍の画像診断のup-date」
    堀越琢郎(千葉大学医学部附属病院放射線科)
  • 「耳下腺腫瘍の術前病理診断(超音波ガイド下 FNA, CNB)」
    茶薗英明(千葉大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科)
  • 「耳下腺癌の病理診断:最近の進歩
    長尾俊孝 (東京医科大学人体病理学分野)
  • 「耳下腺癌に対する新たな化学療法」
    多田雄一郎 (国際医療福祉大学三田病院頭頸部腫瘍センター)

公募の演題は、医学、歯学、薬学分野からの「基礎的研究」8題、「臨床的研究および病理診断学的研究」5題、「症例検討」3題の発表が行われました。

筆頭演者が45歳以下の「基礎的研究」、「臨床的研究及び病理診断学的研究 」を対象とする学会奨励賞は以下の2題に授与されました。

<基礎的研究>

「メソテリン発現唾液腺がんに対するCART細胞と活性化NKT細胞を併用した免疫細胞療法に関する 前臨床研究」
〇國井直樹・山﨑一樹・茶薗英明・岡本美孝
(千葉大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学)

<臨床的研究及び病理診断学的研究>

「唾液腺上皮筋上皮癌にはHRAS遺伝子変異が高率かつ特異的に認められる」
○中黒匡人 1)・浦野 誠2)・平井秀明 3)・谷川真希 3)・多田雄一郎 5)・塚原清彰 5)・長尾俊孝 3))
1) 名古屋大学病院病理部,2) 藤田医科大学医学部病理診断科,3) 東京医科大学人体病理学分野,4) 国際医療福祉大学三田病院頭頚部腫瘍センター,5) 東京医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科)

どの会場でも、時間いっぱいまで熱心な討論が行われ、本会が目的とする「広く唾液,唾液腺に関する諸研究の国内および国際的な知識の交流,啓発」を達成することができたのではないかと思います。
 第64回学術集会は、天野 修(明海大学歯学部解剖学分野 教授)が会長を務め、2019年12月の第二土曜日(14日)に開催する予定です。
 多くの皆様のご参加をお待ちしています。