日本唾液腺学会は、唾液腺に関する我が国で唯一の学際的な全国規模の学会であり、半世紀以上にわたる歴史を持っています

学術集会

学術集会 会長挨拶

会長挨拶

第67回 日本唾液腺学会学術集会
会長 谷村 明彦
北海道医療大学歯学部薬理学分野

会長谷村明彦

 このたび、第67回日本唾液腺学会学術集会を2023年11月25日(土)に、東京・両国の国際ファッションセンタービルで開催させていただきます。歴史ある本学会の大会開催に携われることを大変光栄に存じております。本年度の学術集会は、3年ぶりに対面での開催となりました。例年通り、会員の皆様からの一般講演(唾液腺・唾液に関する基礎的研究、臨床および病理診断学的研究、症例検討)に加えて、特別講演、シンポジウム、奨励賞受賞講演および企業共催ランチョンセミナーを企画しております。
 今回の学術集会では、唾液を使った測定法や検査法をテーマとした特別講演とシンポジウムを企画させていただきました。唾液は侵襲性がなく、簡便で自己採取が可能という最も大きなメリットをもった生体サンプルであり、唾液中のホルモン、感染や疾患マーカー、薬物やその代謝物の測定によって、口腔や全身の状態をモニタリングすることができます。新型コロナ感染症の感染検査に唾液が広く使われて認知度が高まったこともあり、テーマとして取り上げさせていただきました。
 特別講演として慶応義塾大学教授の杉本 昌弘先生から、「唾液のメタボローム解析による分子マーカーの探索」と題したご講演をいただきます。杉本先生は、マススペクトロメトリーをつかったメタボローム解析によって唾液中のがんマーカーを同定され、その技術は唾液による非侵襲的ながんのリスク診断法として実用化されています。またシンポジウムでは、唾液を使った検査法や測定サービスを提供している企業から、唾液を使った検査として実用化されている感染検査、ホルモンの測定、がんのリスク診断についてお話をしていただきます。これらは、唾液や唾液腺の研究・臨床に携わっておられる会員の皆様のみならず、疾患や感染の検査や非侵襲的な生体モニタリングにご興味のある幅広い職種や領域の方々にとっても有益な情報提供の機会になるものと確信しております。幅広い分野、職種の研究者からの異なる視点から、唾液を使った測定・検査法の実際と今後の展望を議論する場になることを期待したいと考えております。
 また企業共催ランチョンセミナーでは、感染対策や口腔ケアのみならず、エネルギー生産や表面処理方法として最先端研究を支える化合物としても活用されている要事生成型亜塩素酸イオン水溶液MA-Tについての講演を予定しており、こちらも多くの方にご興味を持っていただける内容になっていると考えております。会員の皆様には多くの演題をご登録いただきますとともに、唾液・唾液腺に興味をお持ちの多くの方々にご参加いただき、議論の輪を拡げていただけますようお願い申し上げます。

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