このたび、第59回日本唾液腺学会学術集会の会長を担当する機会を与えて頂きました。本学会学術集会では、年次ごとに会長の専門分野やアイディアにより、特色のある集会を開催することとなっております。
プログラムは従来通り、唾液・唾液腺に関する基礎的研究、臨床および病理診断学的研究、唾液腺疾患や唾液腺腫瘍の症例検討で構成されますが、それに加えて、特別講演1題と話題提供講演2題を用意いたしました。
特別講演では、新風を吹き込む意味合いを込めて、「成熟脂肪細胞から多能性細胞をつくる-自発的な脱分化と多能性獲得-」というテーマで、日本大学の加野浩一郎先生にお話を頂きます。加野先生は、再生医療への新たな貢献が期待される脱分化脂肪細胞(DFAT)の独自の作成方法を確立され、研究を進めておられる先生です。
話題提供講演では、「味覚障害と唾液分泌の重要性-基礎研究からの提言-」というテーマで岡山大学の松尾龍二先生に、また、「ドライマウスを再考する-唾液分泌量減少の全身への影響と質的診断の試み-」というテーマで神奈川歯科大学の岩渕博史先生にお話を頂きます。2題とも、新たな視点での唾液分泌、唾液分泌障害を捉えたものです。
唾液・唾液腺に関わる研究を行っておられる様々な分野の方にたくさんご参加を頂き、また新しい情報もご披露頂き、熱い議論を展開して頂くことで、日本唾液腺学会学術集会を盛り上げて頂くことを期待いたしております。