日本唾液腺学会
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第56回日本唾液腺学会 学術大会開催
 

~雨ニモマケズ・・・着実な研究成果の発表と熱心な議論

 

 平成23年12月3日(土曜日)、文京学院大学において、日本唾液腺学会の第56回学術大会が開催されました。あいにくの雨模様となってしまいましたが、医学・歯学・薬学の様々な分野から95名が参加し、それぞれの専門を生かした研究発表と活発な意見交換が行われました。

 
 


 特別講演は、大阪大学大学院歯学研究科の阪井 丘芳 教授(高次脳口腔機能学講座 顎口腔機能治療学教室)に『再生をめざした唾液腺形成機構の解析~新たな制御因子を求めて~』と題してお話をしていただきました。日本唾液腺学会の会員でもある阪井先生は、ご自身の唾液腺研究史に触れながら、唾液腺の枝分かれ機構の発生メカニズムについて、鮮明な動画や写真など多くのデータを示しつつ解説してくださいました。今後、再生医療の分野において失われた機能を回復させる手段として、このメカニズムが生かせるのではないかという、唾液腺研究の1つの可能性、方向性をも示唆する大変有意義な講演でした。
 

 


 公募の演題は、一般演題15題、症例検討8題が発表され、その後の質疑応答も白熱したものとなりました。唾液と唾液腺についての研究成果や唾液腺に関連する症例の報告だけではなく、「炎症マーカー」「口臭測定キット」など、唾液中のマーカーの開発・研究に関する演題も近年増えてきており、今後、本学会の柱の1つとして位置づけられることが期待されます。

 例年通り、学会奨励賞の贈呈式と受賞講演も行われました。今年度は、基礎的研究分野から加藤 治 先生(日本大学松戸歯学部生理学講座)他の「耳下腺腺房細胞の分泌顆粒形成におけるエンドサイトーシスの関与」に学会奨励賞が授与されました。おめでとうございます。今後のさらなるご活躍を祈念申し上げます。
 

 


 さて、第57回学術大会は、平成24年12月1日(土)に、同じく文京学院大学において開催予定で、東京女子医科大学の吉原 俊雄 教授(耳鼻咽喉科)が大会長、日本大学の杉谷 博士教授(生物資源科学部 獣医生化学研究室)が副会長を務めます。「広く唾液腺に関する諸研究の国内及び国際的な知識の交流、啓発」を行うという本学会の目的に沿ったより充実した大会となるよう、今後プログラムなども検討してまいりますので、是非ご参加ください。
 また、ご意見、ご要望等ございましたら、事務局までお寄せいただけましたら、幸甚でございます。